読返
よみかえし
名詞
標準
文例 · 用例
が、松崎は読返してみて苦笑いした。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
」 婦人は後に佇みて、帯の間より手帳を取出し、鉛筆をもて何やらん瞬もせず書き認め、一遍読返して、その紙を一枚引裂き、音低くしてしかも遠きに達る口笛を吹鳴らせば、声に応じて駈け来る犬あり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
紙片に記して読返し、「これじゃ一両がものはあるわね。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
彼は、ときに「作ル」ことを恐れるのあまり、すでに書いた部分を読返してみて、それあるがために史上の人物が現実の人物のごとくに躍動すると思われる字句を削る。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
昔は、前日書いた分を読返して見るのが楽しかったのに。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
書いている時は、すっかり、厭な気持になり、こんなものの何処に価値があるか、と思える時でも、翌日読返して見れば、俺は必ず俺の作品の魅力にとらわれて了う。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
そして又手帳を見て、書いた所を読返したが、急がしく墨を塗つて、手の中に丸めて机の下に投げた。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫
で、渠は火鉢に向直つて、頭だけ捻つて、書いただけを読返して見る。
— 石川啄木 『病院の窓』 青空文庫