御店
おみせ
名詞
標準
文例 · 用例
まず第一には、御店で舐めた酒と、長火鉢の傍でぐびぐびやった酒とは、この番頭にとって同じ経験であります。
— 夏目漱石 『創作家の態度』 青空文庫
「御店ものの懇親会というところだろう」と評し合っているうちに、十六七の小僧が手摺の所へ出て来て、汚ないものを容赦なく廂の上へ吐いた。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
いずれ長い寿命はないものと思い諦らめましてからというもの、一も御店のため、二も御楼主様への御恩返しとあらゆる有難い御嫖客様を手玉に取り、いく程の罪を重ねましたことやら。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
「宅は後から伺いますって」と豊世は微笑んで、「どうして、宅がこんな日に静止していられるもんですか」「今、豊世さんから伺ったんですが」とお雪は夫に、「塩瀬の御店もイケなく成ったそうです」「叔父さんは未だ御聞きに成りませんか」と豊世が言った。
— 島崎藤村 『家(下巻)』 青空文庫
相変らず御店の方ですかネ」「大将も多忙しがっています」 こんな調子で、三吉は打解けて話した。
— 島崎藤村 『家(下巻)』 青空文庫
國から二番目の兄に養父が上京した節、銀さんも御店の方から暇を貰つて逢ひに來たことが有りました。
— 島崎藤村 『幼き日』 青空文庫
なにしろ銀さんは御店ずまひの身で、宿入の時より外には豐田さんの家へも來られませんでしたから。
— 島崎藤村 『幼き日』 青空文庫
それに髮などを短くしまして、すつかり御店風に成りました。
— 島崎藤村 『幼き日』 青空文庫