網糸
あみいと
名詞
標準
文例 · 用例
各種の網糸の強弱弾性やその温度湿度によっての変化とか、網に付ける浮標の浮力、浸水の度やその耐圧度とか、あるいは網面に当る潮流の抵抗の研究とか、いずれも物理学、力学の応用によって解決せらるべき問題である。
— 寺田寅彦 『物理学の応用について』 青空文庫
見てゐるとつめたいそして底知れない変なものが猫の毛皮を網になって覆ひ、猫はその網糸を延ばして毛皮一面に張ってゐるのだ。
— 宮沢賢治 『猫』 青空文庫
そういう時に、君は一冊のスケッチ帳(小学校用の粗雑な画学紙を不器用に網糸でつづったそれ)と一本の鉛筆とを、魚の鱗や肉片がこびりついたまま、ごわごわにかわいた仕事着のふところにねじ込んで、ぶらりと朝から家を出るのだ。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
村へおりると穢い家ばかりで中に一軒夫婦で網糸のやうなものを縒つて居る所があつた。
— 長塚節 『佐渡が島』 青空文庫
或日万作潮来へ網糸買いに往って、晩く帰って来たが、「それ土産だ」と懐から取出したのを見ると、当歳の美しい女の子だ。
— 徳冨蘆花 『漁師の娘』 青空文庫