心得顔
こころえがお
形容動詞名詞
標準
knowing look
文例 · 用例
すると、地べたにすわっていた親猿が心得顔に手を出して、手のひらを広げたままで吸いがらを地面にこすりつけて器用にその火をもみ消してしまった。
— 寺田寅彦 『あひると猿』 青空文庫
落したら其処でよし、失くしたらそれッきりで可んだから……唯心持だけなんだから……」「じゃ、唯持って行きゃ可いのかね、奥さん、」 と聞いて頷くのを見て、年紀上だけに心得顔で、危っかしそうに仰向いて吃驚した風でいる幼い方の、獅子頭を背後へ引いて、「こん中へ入れとくだア、奴、大事にして持ッとんねえよ。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
他人の心の裏を覗くのが素早くて、自分ひとり心得顔してにやにやしている。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
しかし、いくら田舎だってこの頃は酒も安くはないんだから、お前にそこは頼む」 私は心得顔で立ち上り、奥の部屋へ行って大きい紙幣を五枚持って来て、「それじゃ、さきにこれだけあずかって置いてくれ。
— 太宰治 『親友交歓』 青空文庫
「ああ、そう」と私は上品なる社交家の如く、心得顔に気軽そうに立ち、またもや押入れからウイスキイを一本取り出し、栓をあける。
— 太宰治 『親友交歓』 青空文庫
私は、そのすきに心得顔して、ぱちんと電燈消してしまった。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
」 けばけばしいなりをして、眉毛を剃り落した青白い顔の女中が、あ、と首肯き、それから心得顔ににっと卑しく笑って引き込み、ほとんどそれと入れちがいに、とみが銘仙を着て玄関に現われた。
— 燭をともして昼を継がむ。 『花燭』 青空文庫
往来に馴れて、幾度も蔦屋の客となって、心得顔をしたものは、お米さんの事を渾名して、むつの花、むつの花、と言いました。
— 泉鏡花 『雪霊記事』 青空文庫
作例 · 標準
彼は事情をすべて知っているかのような心得顔で、静かに頷いた。
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誰にも教えたことがない秘密なのに、彼女は心得顔で笑っている。
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彼はまだ新人のくせに、ベテランのような心得顔で意見を言う。
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