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育み

はぐくみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
東京の西北方から勢を起しながら、山の手の高台に阻まれ、北上し東行し、まるで反対の方へ押し遣られるような迂曲の道を辿りながら、しかもその間に頼りない細流を引取り育み、強力な流れはそれを馴致し、より強力で偉大な川には潔く没我合鞣して、南の海に入る初志を遂げる。
岡本かの子 河明り 青空文庫
あらゆるものを育みそだて、あらゆるものを生きて働かせ、あらゆるものを葬り呑んで行く海。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
(自信に満てる調子にて)わたしの中から呼び覚まされた「母」はあの天地を育み生きものを造り出す力である偉大な「母性」なのだ。
岡本かの子 阿難と呪術師の娘 青空文庫
突き崩したところに、地球規模で共有できる新しい精神を育み得るのかを、私たちはこれから問われていくのでしょう。
富田倫生 本の未来 青空文庫
姉や植源の嫁が騒いでいるように、鶴さんがそんなに好い男なのかと、時々帳場格子のなかに坐っている良人の顔を眺めたり、独り居るときに、そんな思いを胸に育み温めていたりして、自分の心が次第に良人の方へ牽つけられてゆくのを、感じないではいられなかった。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
精神的にも物質的にも茫々たる不毛の国土を開拓して、隆々たる文化を育みつつ、世界を併呑すべく雄視した鼻がありました。
夢野久作 鼻の表現 青空文庫
五人は育み難し斯く云ひて肩の繁凝の泣く夜となりぬ 五人目の子の生れた頃の作。
平野萬里 晶子鑑賞 青空文庫
我主よ、今宵も共にいまして、寂しき此身を育み給へ。
與謝野寛、與謝野晶子 巴里より 青空文庫