毎家
まいか
名詞
標準
文例 · 用例
その辺に三尾川という所は、旧家十三、四家あり、毎家自家の祖神社あり、いずれも数百年の大樟樹数本をもって社を囲めり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
仮令い或は表面に衝突せざるも、内心相互に含む所ありて打解けざるは、日本国中の毎家殆んど普通と言うも可なり。
— 福沢諭吉 『新女大学』 青空文庫
蓋しその由縁は、下等士族が、やや家産の豊なるを得て、仲間の栄誉を取るべき路はただ小吏たるの一事にして、この吏人たらんには必ず算筆の技芸を要するが故に、恰も毎家教育の風を成し、いかなる貧小士族にてもこの技芸を勉めざる者なし。
— 福沢諭吉 『旧藩情』 青空文庫
しかれどもこの地の精華はその実、上層にあらずして下層にあり、御茶の水上橋に非ずして御茶の水下橋にあり(橋の名のかく名づけられたるなり)下橋を渡りて隧道に依りて通ずる幾個の地下国は尽くこれ待合(今の待合とやや性質を異にす)にして、毎家、幾多の蛾眉を貯ふ。
— 正岡子規 『四百年後の東京』 青空文庫
ラジオの高声器のある戸毎家毎には、近隣の者や、見も知らぬ通行人までが、飛びこんで来て、警備司令部の放送がこれから如何になりゆくかについて、耳を聳てるのだった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
「諸国の毎家、仏舎を作り、仏像及び経を置き、以て礼拝供養せよ」という詔は、仏壇を一家に欠き難いものとする伝統の始まりである。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫