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破れ穴

やぶれあな
名詞
1
標準
文例 · 用例
そして佐伯はいわばその古障子の破れ穴とでもいうべきうらぶれた日日を送っていたのである。
織田作之助 青空文庫
古障子の破れ穴のように無気力だった京都は、新しく障子紙を貼り替えたのだ。
織田作之助 大阪の憂鬱 青空文庫
鼬が覘くやうな、鼠が匍匐つたやうな、切つて填めた菱の實が、ト、べつかつこをして、ぺろりと黒い舌を吐くやうな、いや、念の入つた、雜多な隙間、破れ穴が、寒さにきり/\と齒を噛んで、呼吸を詰めて、うむと堪へて凍着くが、古家の煤にむせると、時々遣切れなく成つて、潛めた嚔、ハツと噴出しさうで不氣味な眞夜中。
泉鏡太郎 霰ふる 青空文庫
鼬が覘くような、鼠が匍匐ったような、切って填めた菱の実が、ト、べっかっこをして、ぺろりと黒い舌を吐くような、いや、念の入った、雑多な隙間、破れ穴が、寒さにきりきりと歯を噛んで、呼吸を詰めて、うむと堪えて凍着くが、古家の煤にむせると、時々|遣切れなくなって、潜めた嚔、ハッと噴出しそうで不気味な真夜中。
泉鏡花 霰ふる 青空文庫
枕元には、いま障子の破れ穴から飛び込んで来た三毛が、ぶるぶるっと毛繕いして、ものほしそうに鳴いていた。
佐左木俊郎 蜜柑 青空文庫
障子の破れ穴の一つに怪しい者の眼球が光るような気がした。
田中貢太郎 黄燈 青空文庫
月に照らしだされたところでは、彼の顔は無精ひげでおおわれ、頭もばさばさ、身体の上にはたくさん着ていたが、ズボンもジャケツも外套もみんなひどいもので、破れ穴は数えられないほど多いし、ほころびたところはそのままで、ぼろが下っていた。
海野十三 少年探偵長 青空文庫
ただ、彼は祠の破れ穴のところに、絹の焼け布片がひっかかっているのを発見し、声をあげてよろこんだ。
海野十三 少年探偵長 青空文庫