撫で肩
なでがた
名詞
標準
文例 · 用例
撫で肩で、それを自分でも内心、恥じているらしく、ことさらに肘を張り、肩をいからして見せるのだが、その気苦労もむなしく、すらりと女形のような優しい撫で肩は、電燈の緑いろを浴びて、まぎれもなかった。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
君の今夜の服装だって、撫で肩だって、一つも、残さず全部、知っている。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
けれども矗とか峻とかいう峙ちようではなく、どこまでも撫で肩の柔かい線である。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
中背の撫で肩の上にラファエルのマリア像のような線の首筋をたて、首から続く浄らかな顎の線を細い唇が締めくくり、その唇が少し前へ突き出している。
— 岡本かの子 『かの女の朝』 青空文庫
勉強のしすぎから撫で肩で、そして前に突き出た顔面は、物珍しい爬虫類さながらゆらゆらと左右に絶えず揺れている。
— THE FINAL PROBLEM 『最後の事件』 青空文庫
銀子は撫で肩の肩が少し厚ぼったく、上背もなかったが顔は彼女の型なりに完成美に近く、目も美しく、鼻も覗き気味で尋常であった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
なだらかな撫で肩、均齊の取れた手や足、その片膝を立てかけて、髪を束ねている図が、春信の描く美人の型そのままだと思われた。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
撫で肩の男の後姿が、上り口の障子の腰硝子から覗くお庄の目についた。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫