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かん
名詞
1
標準
文例 · 用例
予は現に、人の妻と通して、遂に其の妻を奪った人が、家庭の読物を、発刊しようかなどと云って居るのを、聞いたことがある。
伊藤左千夫 家庭小言 青空文庫
柳放火、殺人、竊盜、夜行、淫、およびあらゆる兇行をして柳の樹下に行はしめよ。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
それに此女だって性慾の満足のためには、屍よりはいいのだ。
葉山嘉樹 淫賣婦 青空文庫
自分の妻君の通をかぎつけた亭主のように、その晩船長は一睡もしなかった。
葉山嘉樹 海に生くる人々 青空文庫
けれども、この言葉は、実に猥せつで、不気味で、ひとは互いにおびえ、あらゆる思想がせられ、努力は嘲笑せられ、幸福は否定せられ、美貌はけがされ、栄光は引きずりおろされ、所謂「世紀の不安」は、この不思議な一語からはっしていると僕は思っているんです。
太宰治 斜陽 青空文庫
殺人、放火、強、身をふるわせてそれらへあこがれても、何ひとつできなかった。
――当りまえのことを当りまえに語る。 もの思う葦 青空文庫
向うの階段の下では手拭を冠つて尻端折つて箒を持つた女中が三人、の字の形に寄合つて吾々二人の顏を穴のあく程見据えてゐた。
寺田寅彦 伊香保 青空文庫
これ、通にも事情はある、親不孝でも理窟を云う。
泉鏡花 婦系図 青空文庫