遣り繰り
やりくり
名詞
標準
文例 · 用例
その苦しい世帯を遣り繰りして、許された時間と経費の範囲内で研究するにしても、場合によってはまた色々意外な拘束の起ることが可能である。
— 寺田寅彦 『学問の自由』 青空文庫
それには、正直に恐慌以来の自家の財政の遣り繰りを述べ、しかし、断然たる切り捨てによって小ぢんまりした陣形を立直すことが出来、従って今後は輸出産業の見込み百パーセントの金魚の飼育と販売に全資力を尽す方針を冷静に書いてあった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
谷窪の家には、湧き水の出場所が少し変ったというので棕梠縄の繃帯をした竹樋で池の水の遣り繰りをしてあった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
鼎造の遣り繰りの相手になっていた銀行は休業したまま再開店は覚束ないと噂された。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
それというのも、あいにく二人の選者のうちの一人が庸三自身であったからで――しかしまた庸三が取捨の一半の権利をもっており、事によれば庸三が採点の遣り繰り一つで、彼女の作品の運命を決定することも不可能ではなかったので、あらかじめ彼の批判を得ておきたくもあった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
由来、芝居道では偶数の名題を忌む慣習があるので、いろいろに無理な遣り繰りをして、三字、五字、七字にする。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
これがためにいろいろの遣り繰りをして、浜松屋の店でも弁天と南郷の入込みを省略した。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
一時は、お座敷がブツカリ合って遣り繰りが付かないほどの盛況を逞したもんだ。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫