前同
ぜんどう
名詞
標準
文例 · 用例
)以布利 バタク語で「イフル」は前同様突端でこれが津呂に近くあるのは面白い。
— 寺田寅彦 『土佐の地名』 青空文庫
それは以前同じ土地に聞えた老妓で、清葉はその実、養女である。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」「は、それが、つい、おうわさばかり伺いまして、お療治はいたしません、と申すが、此屋様なり、そのお座敷は、手前同業の正斎と申す……河豚のようではござりますが、腹に一向の毒のない男が持分に承っておりましたので、この正斎が、右の小一の師匠なのでござりまして。
— 泉鏡花 『怨霊借用』 青空文庫
今日以後も昨日以前同樣の取扱方を吾が身に加へて居て、而して明日からは往日と異なつた結果を得ようといふ其樣な得手勝手な注文は成り立つ道理が無い。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
つやがその花束をガラスびんにいけて、なんにも飾ってない床の上に置いて行ったあと、葉子は前同様にハンケチを顔にあてて、機械的に働く心の影と戦おうとしていた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
人事を離れた天然に就いても、前同樣の批評を如何な讀者も容易に肯はなければ濟まぬ程、作者は鬼怒川沿岸の景色や、空や、春や、秋や、雪や風を綿密に研究してゐる。
— 長塚節 『土』 青空文庫
人事を離れた天然に就いても、前同様の批評を如何な読者も容易に肯わなければ済まぬ程、作者は鬼怒川沿岸の景色や、空や、春や、秋や、雪や風を綿密に研究している。
— ――長塚節著『土』序―― 『『土』に就て』 青空文庫
女がすでに離れた以上、自分の仕事に飽が来たと云ってはすまないが、前同様であるべき窮屈の程度が急に著るしく感ぜられてならなかった。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫