散らばり
ちらばり
名詞
標準
文例 · 用例
利根川の河原に望みて、堤防に櫻を多く植ゑたり、常には散策する人もなく、さびしき芝生の日だまりに、紙屑など散らばり居るのみ。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
路上に行人は散らばり去り烈風は砂を卷けどもわが古き感情は叫びて止まず。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
売ものが散らばりましたか、真赤に染った木の葉を枕で、目を眠っていましたよ。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
川の岸辺にも川床にも、数限りもない流木が散らばり、引っかかっていた。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
帰って外套をふるったら室じゅうへコンフェッチがいっぱいに散らばりました。
— 寺田寅彦 『先生への通信』 青空文庫
今頃なら霜解けを踏み荒した土に紙屑や布片などが浅猿しく散らばりへばりついている。
— 寺田寅彦 『イタリア人』 青空文庫
そしてあちこちに白いものが散らばり、太陽に照らされ、さえないアルカリの灰の中でそれだけが輝いている。
— A STUDY IN SCARLET 『緋のエチュード』 青空文庫
もっと激しく、ありったけの瓶が一度に地面に散らばり出て、ある限りが粉微塵になりでもすれば…… はたしてそれが来た。
— 有島武郎 『卑怯者』 青空文庫