小塔
しょうとう
名詞
標準
文例 · 用例
中尊寺〔一〕七重の舎利の小塔に、 蓋なすや緑の燐光。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
見渡すかぎり雑草のしげる凸凹平原の中に、こうした旗のひるがえる小塔のあることは、このあたりの風景をますます異様のものにした。
— 海野十三 『火星探険』 青空文庫
しかしダン艇長が、なぜその二人の仲間にくわわっていたのか、またこの人たちが、なぜそのような海底の小塔に顔をならべていたのか。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
嶮しい屋根や海緑色の石盤瓦茸小塔の聳え具合が仏蘭西蘇格蘭折衷式の城の様式なので、城は師父ブラウンのような英蘭人にはお伽話に出て来る魔女のかぶる陰険な尖り帽を思い出させるのであった。
— THE HONOUR OF ISRAEL GOW 『作男・ゴーの名誉』 青空文庫
そして周囲にゆらいでいる松林は小塔の緑色と対比して無数の渡鳥の群のように黒く見えた。
— THE HONOUR OF ISRAEL GOW 『作男・ゴーの名誉』 青空文庫
事実の真相は、わしはきっと信じるが、もそっと深い所に横たわっているんじゃ」彼はふと言葉をきらして小塔に咽び泣く風音に耳を澄まして、それから更に続けた。
— THE HONOUR OF ISRAEL GOW 『作男・ゴーの名誉』 青空文庫
とがった急な屋根、奇妙な小塔、大きな白い時計面、小さな円柱の並んでる各階、無数のガラス窓、人の足ですりへってる階段、左右二つの迫持、そういうものをつけてそこに、グレーヴの広場と同平面に控えている。
— LE DERNIER JOUR D'UN CONDAMNE 『死刑囚最後の日』 青空文庫
彼の耳には全ての失敗した冒険の弔鐘が鳴っており、彼の仲間は全て暗黒の塔から見えるところで丸くうずくまった小塔、愚者の心臓のように見えない、褐色の石で作られて、対応するものが無い全世界に。
— イェール大学で1913年に行った一連の講義 『近代医学の興隆』 青空文庫