貧賤
ひんせん
名詞
標準
文例 · 用例
姿は聖人に似たりといへども心は不平に濁りて騒ぎ、すみかを山中に営むといへども人を恋はざる一夜も無く、これ貧賤の報のみづから悩ますところか、はたまた妄心のいたりて狂せるかと、われとわが心に問ひかけてみましても更に答へはござりませぬ。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
富貴の家は努めて避け、貧賤の家には好んで近づいた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
貧賤が富貴に向って復讐をやってる因果応報の理だね」「そう頭から自分の拵えた型で、他を評価する気ならそれまでだ。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
もしこれ貧賤の報のみづからなやますか、はた亦妄心のいたりてくるはせるか、その時こゝろ更に答ふることなし。
— 鴨長明 『方丈記』 青空文庫
思うに恒産なくして恒心を失わず、貧賤に素しては貧賤に処し、患難に素しては患難に処し、いっさいの境に入るとして自得せざるなきは君子のことである。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
故舊哀貧賤 故旧貧賤を哀むも、貧賤元所期 貧賤元と期する所。
— 河上肇 『閉戸閑詠』 青空文庫
仮令夫の家貧賤|成共夫を怨むべからず。
— 福沢諭吉 『女大学評論』 青空文庫
ことさらに富貴の人を嫌うて、貧賤を友とする者を見ず。
— 福沢諭吉 『教育の目的』 青空文庫