甲斐なし
かいなし
名詞
標準
worthlessness
文例 · 用例
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥お峯が引出したるは唯二|枚、殘りは十八あるべき筈を、いかにしけん束のまゝ見えずとて底をかへして振へども甲斐なし、怪しきは落散し紙切れにいつ認めしか受取一|通。
— 一葉女史 『大つごもり』 青空文庫
何も女の力たらで談合に甲斐なしとも、同じこゝろは榮花にあきし世の人よりも持つ物ぞや、我れに遠慮あらば佐助もありそよもあり、あの年浪の寄るほどには稽古もつみて世渡りの商法も知らぬではなく、それこそ相談の相手にも成るべし。
— 一葉 『暗夜』 青空文庫
…………………………………………………… お峯が引出したるは唯二枚、残りは十八あるべき筈を、いかにしけん束のまま見えずとて底をかへして振へども甲斐なし、怪しきは落散し紙切れにいつ認めしか受取一通。
— 樋口一葉 『大つごもり』 青空文庫
…………………………………………………… お峰が引出したるは唯二枚、殘りは十八あるべき筈を、いかにしけん束のまゝ見えずとて底をかへして振へども甲斐なし、怪しきは落散し紙切れにいつ認めしか受取一通。
— 樋口一葉 『大つごもり』 青空文庫
我れを腑甲斐なしと思ふな。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
その踏み荒したる靴の跡はそこかここかと尋ぬるも甲斐なし。
— ――甲字楼日記の一節―― 『叔父と甥と』 青空文庫
これはと大きに驚き呆れて、推し剥がさんと力を出せど少しも離るることなければ、人を頼みて挽却らしめしも一向さらにその甲斐なし。
— 幸田露伴 『印度の古話』 青空文庫
されど物語のおわりしとき、彼は色を正して諫むるよう、この一段のことはもと生れながらなる弱き心より出でしなれば、いまさらに言わんも甲斐なし。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫