幻辞.com

文銭

ぶんせん
名詞
1
標準
文例 · 用例
母が、死んだ猫を埋めてやる時、その猫にまで、孔のあいた二文銭を、藁に通して頸にひっかけさし、それで場所を買え、と云っていたのを僕は覚えている。
黒島傳治 浮動する地価 青空文庫
石松、一文銭をもてあそび乍ら見て居る。
山中貞雄 森の石松 青空文庫
〔註―今迄に書き落して居たが、これは石松のくせで、ひまさえ有れば一文銭を廻したりして居る事〕 酌婦が来て石松に、 「表か裏か当てっこしましょうか」 「よし、俺ァ表だ」 「じゃ、妾は裏ね」 石松、銭を廻す。
山中貞雄 森の石松 青空文庫
廻って居た一文銭止る。
山中貞雄 森の石松 青空文庫
(源兵衛の声) 「石松、俺が昔、やくざだったから、俺がやくざだったから、お前だけはやくざにしたくなかった」 一文銭廻って落ちる。
山中貞雄 森の石松 青空文庫
神業と思うにや、六部順礼など遠く来りて賽すとて、一文銭文銭の青く錆びたるが、円き木の葉のごとくあたりに落散りしを見たり。
泉鏡花 一景話題 青空文庫
細長い堅木の厚板に、身の上判断と割書をした下に、文銭占ないと白い字で彫って、そのまた下に、漆で塗った真赤な唐辛子が描いてある。
夏目漱石 彼岸過迄 青空文庫
彼は再び立ち戻って、身の上判断|文銭占ないという看板のかかった入口から暖簾を潜って内へ入った。
夏目漱石 彼岸過迄 青空文庫