穉拙
穉拙
名詞
標準
文例 · 用例
ほかの人々の歌に比して、技巧の足りない穉拙のようなところがあって、何時か私の心を牽いたものだが、今読んで見ても幾分象徴詩的なところがあっておもしろい。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
それを、「吹く毎に」で融合させているので、穉拙なところに、却って古調の面目があらわれて居る。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
そして此程度の歌ならば、他の巻には幾らもあると思うが、当時既に古歌として取扱った歌として、また、第二句「海にいでたる」の句の穉拙愛すべき特色とを以て選出して置いた。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
若くてなまなましく、穉拙で、少しも反感を催させない字体である。
— 室生犀星 『我が愛する詩人の伝記』 青空文庫
千家の世界で眺めた生きものの姿が、粗雑と穉拙の表現にも拘わらず思うままに、こまかい効果をもたらしている。
— 室生犀星 『我が愛する詩人の伝記』 青空文庫
春雨に雀かぞゆる夕部かな 如嬰 穉拙な句である。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
「夕立くさき」の一語は穉拙だけれども、ちょっと他に換うべき言葉が見当らない、穉拙なりにその感じを道破している。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
実感による穉拙と、厭味を伴う巧と――この比較の結果は、已に度々繰返した元禄、天明の対照になりやすい。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫