老巧
ろうこう
形容動詞名詞
標準
experienced
文例 · 用例
この挿話の主人公夫婦として現われる二人の俳優の演技が老巧なためにこれが相当な効果をあげているようである。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
彗星の表現はあまりにも真実性の乏しい子供だましのトリックのように思われたが、大吹雪や火山の噴煙やのいろいろな実写フィルムをさまざまに編集して、ともかくも世界滅亡のカタクリズムを表現しようと試みた努力の中にはさすがにこの作者の老巧さの片影を認めることもできないことはないようである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(4)』 青空文庫
前者は初心にできても、後者は老巧なものでなければできない重い役割であろう。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
手段は既に十分にととのい、敵将を追落し敵城を乗取ること、嚢の物を探るが如くになり居れど、ただ兵粮其他の支えの足らぬため、勝っても勝を保ち難く、奪っても復奪わるべきを慮り、それ故に老巧の方々、事を挙ぐるに挙げかね、現に貴殿も日夜此段に苦んで居らるるではござらぬか。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
此新聞は、企業家としては随分名の知れてゐる山県勇三郎氏が社主、其令弟で小樽にゐる、これも敏腕の聞え高き中村定三郎氏が社主を代表して、社長は時の道会議員なる老巧なる政客白石義郎氏(今年根室郡部から出て代議士となつた。
— 石川啄木 『悲しき思出』 青空文庫
弥太郎は四十六歳、鉄砲を取っては組内でも老巧の達人として知られていた。
— 岡本綺堂 『鷲』 青空文庫
老巧の弥太郎のいう通り、さすがの荒鷲も青天の白昼には余りに姿を見せないで、多くは早暁か夕暮れに飛んでくる。
— 岡本綺堂 『鷲』 青空文庫
それが老巧の粟生氏の技倆を以ってしてもナカナカ翁の指南通りに出来ないので、何度も何度も遣り直しを喰っている。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
作例 · 標準
彼は老巧な手さばきで、複雑な機械をいとも簡単に修理してしまった。
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その老巧な政治家は、巧みな交渉術で対立する両者の合意を取り付けた。
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相手チームの老巧な駆け引きに翻弄され、我々は試合の主導権を握れなかった。
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