口小言
くちこごと
名詞
標準
scolding
文例 · 用例
口小言を云いながら窓をあけると、まず眼にはいったものは娘の浅ましい亡骸で、おちかは腰のぬけるほど驚いたのであった。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
ぶつぶつ口小言謂いつつありし、他の多くの軍夫等も、鳴を留めて静まりぬ。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
外はさすがに少しは風があるのでそこからぶらぶら歩いていますと、向うから一人の男が、何かぶつぶつ口小言を云いながらやって参ります、その様子が酔っぱらいらしいので私は道を避けていますとよろよろと私の前に来て顔を上げたのを見れば藤吉でございました。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
子供の口小言は然し耳からばかりでなく、喉からも、胸からも、沁み込んで来るやうに思はれた。
— 有島武郎 『An Incident』 青空文庫
夫に先き立たれるまでは、口小言一つ云はず、はき/\と立ち働いて、病人が何か口やかましく註文事をした時でも、黙つたまゝでおいそれと手取早く用事を足してやつたが、夫はそれを余り喜ぶ風は見えなかつた。
— 有島武郎 『お末の死』 青空文庫
勃凸の買つて来た赤皮の靴が法外に大き過ぎると冗談めいた口小言をいひながらも、おんつぁんはさすがに何処か緊張してゐた。
— 有島武郎 『骨』 青空文庫
」 口小言を云いながら、七兵衛は進んでお葉を抱え起そうとすると、彼女は其手を跳ね退けて衝と起った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
さうして何かぶつぶつ口小言を云つて居るのであつた。
— 木下杢太郎 『市街を散歩する人の心持』 青空文庫