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幽き

かそけき
連体詞
1
標準
faint
文例 · 用例
僕もその小説は余程まえにいちど読んだことがあって、あのかそけきロマンチシズムは、永く僕の心をとらえ離さなかったものであるが、けれどもあのなかのあまりにもよろずに綺麗すぎる主人公にモデルがあったとは知らなかったのである。
太宰治 彼は昔の彼ならず 青空文庫
すればこの仄かな河明りにも、私が曾て憧憬していたあわれにかそけきものの外に、何か確乎とした質量がある筈である――何かそういうものが、はっきり私に感じられて来ると、結局、私は私の物語の娘の性格の更生に、始めから私の物語を書き直す決意にまで、私の勇気を立至らしめたのである。
岡本かの子 河明り 青空文庫
だが、かそけきもの、か弱きもの必ずしも力なしとはいへない。
岡本かの子 秋の七草に添へて 青空文庫
ちかぢかと城の狭間より見おろしてこずゑの合歓のちりがたのはな(白帝城)花火過ぎ水にただよふ椀殻は鳰の鳥よりなほあはれなり(犬山より木曾川を下る)水車船瀬々にもやひて搗く杵のしろくかそけき夏もいぬめり
北原白秋 白帝城 青空文庫
小舟には、人々|盞を干し、月明りの雲、かそけきを見る。
芥川龍之介 パステルの龍 青空文庫
此夕暮に、鶯なくも(家持――万葉巻十九)我が家のいさゝ群竹 吹く風の 音のかそけき、このゆふべかも(同)うら/\に照れる春日に、雲雀あがり、心かなしも。
折口信夫 叙景詩の発生 青空文庫
○わが宿のいささ群竹吹く風の音のかそけきこの夕かも 〔巻十九・四二九一〕 大伴家持 同じく第二首である。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
巻十九(四一九二)の霍公鳥|并藤花を詠じた長歌に、「夕月夜かそけき野べに、遙遙に鳴く霍公鳥」とあるのも亦家持の作、「雲雀あがる春べとさやになりぬれば都も見えず霞たなびく」(巻二十・四四三四)も亦家持の作で、この方は巻十九のよりも制作年代が遅い(天平勝宝七|歳三月三日)のは注意すべきである。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
作例 · 標準
遠くにかすかな光が幽く見えた。
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その昔話には、人々の記憶にかそけき物語が残っている。
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夜空に浮かぶ月影は、かそけき神秘を帯びていた。
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