朱丹
しゅたん
名詞
標準
文例 · 用例
朱丹にして、玉の瞳、金の牙、黒い毛。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
扉の右手には、朱丹・群青・黄土・緑青等の古代岩絵具の色調が、見事な色素定着法で現わされている、二人の冥界の獄卒が突っ立っていた。
— 小栗虫太郎 『失楽園殺人事件』 青空文庫
それが、ガラス窓越しに中庭の向うから放たれたのだとすると、見た通りガラス盤の後方は、二人の死蝋が着ている、朱丹と緑青色の布とで塞がっているのですから、あの様に真白に見える、気遣いはないのです。
— 小栗虫太郎 『失楽園殺人事件』 青空文庫
けれども、硝子盤の背後には死蝋が着ている、朱丹と緑青色の衣裳があって、それが障碍になります。
— 小栗虫太郎 『失楽園殺人事件』 青空文庫
わたしもそれ以上のことはよく知りませんが、今もあなたが仰しゃった柔仏の王――朱丹というそうです。
— 岡本綺堂 『マレー俳優の死』 青空文庫
もちろん、ラッフルスがこの土地を買収したのは、今から百年ほどの昔で、その当時の朱丹が生きているはずはないんですが、その魂はまだ生きていたとでも言いましょうか。
— 岡本綺堂 『マレー俳優の死』 青空文庫
なにしろ、アンが行くえ不明になったのは、その朱丹の墓に関係があるんです。
— 岡本綺堂 『マレー俳優の死』 青空文庫
この土地を英国人に売り渡した柔仏の朱丹は、ラッフルスから受取った六十万弗の中から二十万弗を同種族のものに分配して、残る十万弗で自分の墳墓を作った。
— 岡本綺堂 『マレー俳優の死』 青空文庫