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懸直

懸直
名詞
1
標準
文例 · 用例
」「ざッと一時間……」 半分は懸直だったのに、夫人はかえってさもありそうに、「そうでしたかねえ、私はもっとかと思ったくらい。
泉鏡花 悪獣篇 青空文庫
私の内は貧乏だけれど姉さんが居るから暖簾が汚れませんや、御新造が居なさらねえとそれだもの困っちまう、)と高慢なことをいいながら、背伸をして、西洋造の扉の上に、鶏卵色の壁にかかった塗板を真直に懸直し、そのまま閉ってる扉を開けて、小腰を屈めて診察所へ入った。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
込入った話でそのお夏さんのことについちゃ、こりゃ懸直無し私も一ツもの思いだ、帰ってからも路々も条を辿って考えよう、いやしかしお庇でおもしろい……といっちゃあ済まないような気もするね。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
」といふやうな事を思つて居るのが普通善良の人の懸直無しの所で、此より下つた人は自ら新にするの工夫も爲さず、運命だけが新規上等のものになつて現前せんことを望んで居る位のもので有らうから、其は論ずるに足らぬとして擱いて、其なら差當り何樣して自ら新しい自己を造らうとしたら宜いかが喫緊な研究問題なのである。
幸田露伴 努力論 青空文庫