振り事
ふりごと
名詞
標準
文例 · 用例
かみつかんばかりにことばをつないで、「実あさっき、おれあおめえのからだを見るために、ああしていっしょに湯にへえったのだが、あれならどうして、振り事でも所作でも、融通のきくいいからだだ。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
四 日本一太郎のいささか頭の調子の狂った幻想から生まれた手妻応用の振り事は、彼の人物そのままに、突拍子もないものだった。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
そちは、踊り振り事の類をもって身を立て得ると聞き及ぶが、当分、父久助とともに木場の甚方へ掛人になるがよい。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
おさらい 長唄、清元、常磐津、さては歌沢、振り事など、歌舞の道にお師匠さんたるもの、互いに己が弟子の上達を誇りに、おさらいというもの、多くは秋の長夜を利して催すが例である。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
村々の社々にも、やはり時々、山の神が祭りの中心となつて、呪言を唱へ、反閇を踏み、わざをぎの振り事、即神遊びを勤めに来た。
— 折口信夫 『山のことぶれ』 青空文庫
なにしろ、所作と振り事にかけては五代目をしのぐと言われた名手の三津五郎。
— 小鰭の鮨 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
さて、遺憾ながら、この晴の舞台において、紫玉のために記すべき振事は更にない。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
第一、馴れた家の中を行くやうな、傘さした女中の斜な袖も、振事のやうで姿がいゝ。
— 泉鏡花 『城崎を憶ふ』 青空文庫