現在世
げんざいせ
名詞
標準
this world
文例 · 用例
現在世界じゅうの学者が争って研究しているような問題が、やがて行き詰まりになるであろうということは当然の事でもあり、また過去の歴史がことごとくこれを証明しているように思われる。
— 寺田寅彦 『物理学圏外の物理的現象』 青空文庫
現在世に行われている「八雲琴」は、これである。
— 太宰治 『盲人独笑』 青空文庫
金太郎は急に、一切のことを誰かに話して、自分とその老人とが同じ危|險状態にあつたことを現在世|界中で自分だけが知つてゐるといふこの祕密から、いちはやく解|放されたい衝動をうけた。
— 新美南吉 『坂道』 青空文庫
現在世界に存留する大民族は、即ち黄白の二種にして、彼の黒種紅種は早くも既に白種に征服せられ、米のインデアン、南洋の馬来、アフリカのエグロの如き数十年ならずしてこの種の人種は絶滅し終るであろう。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
現在世界のどこでもここでも。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
別段、今更に考え直す迄もない事であるが、現在世にも珍らしい少年が、滅多に人を迎え入れた事のない私の家に、何の苦もなく侵入して来て、応接間で私を待っている……という事実に対して、何となく心が動いたために、今更に自分の孤独な生活が自分の眼に……否、心に浮み出たのである。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
けれど、現在世の中にあるおいしい酒というのはすべて味わい尽くしたから、この頃では昔上方にあったという『富士見酒』の味を想像して、舌に唾液をからませている。
— 佐藤垢石 『濁酒を恋う』 青空文庫
ただ腰をかけている間、あたりには何一ツ見るものがない為、遣場のない眼をそう云う人達の方へ向けるというまでの事で、心の中では現在世話になっている姉の家のことしか考えていない。
— 永井荷風 『或夜』 青空文庫
作例 · 標準
「現在世での苦しみは、来世への試練なのだ」と祖母は静かに語った。
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彼は現在世の栄華を極めたが、晩年は孤独な日々を送ることになった。
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古典文学には、現在世の無常を嘆く歌が数多く残されている。
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