居合
いあい
名詞
標準
文例 · 用例
どうか/\……あゝ痛い/\/\……死ぬのはいやです……私は死にたくないんです」 さう云ひながら彼女はそこに居合はした醫員にすがり附かうとした。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
そこに居合わせた者も、皆声をそろえて笑った。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
滝の附近に居合せた四五人がそれを目撃した。
— 太宰治 『魚服記』 青空文庫
私たちも、その場に居合せていたのだが、その蛇の事は、だから、ちっとも知らなかった。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
もし次兄が突つこんで來たら、さいはひ弟も居合せてゐることだし、はつきり言つてしまはうと心をきめてゐた。
— 太宰治 『思ひ出』 青空文庫
」 とお傍に居合せた相州さまが、軽く無雑作におつしやつたのでございます。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
宮の下で下りて少時待っているうちに、次の箱根町行が来たが、これも満員で座席がないらしいので躊躇していたら、待合所の乗客係が気を利かして居合わせたハイヤーを別に仕立ててバス代用に提供してくれた。
— 寺田寅彦 『箱根熱海バス紀行』 青空文庫
高松という処の村はずれにある或る神社で、社前の鳥居の一本の石柱は他所のと同じく東の方へ倒れているのに他の一本は全く別の向きに倒れているので、どうも可笑しいと思って話し合っていると、居合わせた小学生が、それもやはり東に倒れていたのを、通行の邪魔になるから取片付けたのだと云って教えてくれた。
— 寺田寅彦 『静岡地震被害見学記』 青空文庫