金元
かねもと
名詞
標準
文例 · 用例
元結あり、白元結、黒元結、奴元結、金柑元結、色元結、金元結、文七元結など皆其類なり。
— 泉鏡花 『当世女装一斑』 青空文庫
S銀行上本町支店から児子権右衛門預金元利決算報告書が来て、権右衛門の預金が百万円に達したことが分ったからである。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
復密奏して曰く、燕王は智慮人に過ぐ、而して其の拠る所の北平は、形勝の地にして、士馬精強に、金元の由って興るところなり、今|宜しく封を南昌に徒したもうべし。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
且此等の書は一も原形を保存することを得ずして、唐の書は宋人に刪改せられ、北宋の書は南宋人に、南宋の書は金元明人に改刪せられた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
昨夜のままの濃化粧と、口紅のクッキリとした、高島田の金元結の艶めかしい、黒い大きな瞳を一パイに見開いた人形のような瓜実顔が、月の光りに浮彫りされたまま、半分以上雨樋の蔭から覗き出して、彼の姿を一心に凝視しているのであった。
— 夢野久作 『笑う唖女』 青空文庫
一たい、平日から油|染んだ髪をきらっていたから、菅糸だって、葛引だって、金紗(元結ぐらいな長さの、金元結の柔らかい、縒のよい細いようなのを、二、三十本揃えたもの。
— 続旧聞日本橋・その一 『大門通り界隈一束』 青空文庫
志道軒と常友は当日約束の貸金元利とりそろえて持参のこと、いずれも、心得ましたという返事があった。
— その十 冷笑鬼 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫