葉緑
ようりょく
名詞
標準
文例 · 用例
もしも花が緑にならなければならない道理のある場合ならば、花弁の中に自然に葉緑ができてしかるべきではあるまいか。
— 寺田寅彦 『神田を散歩して』 青空文庫
すなわち醋酸銅を醋酸に溶かしたものに植物を浸せば、葉緑素と銅との化合で不変の緑色素が出来るというのである。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
日光来りて葉緑を照徹すれば葉緑黄金を生ずるじゃ。
— 一幕 『饑餓陣営』 青空文庫
清浄な、また沁み出るような葉緑素の濃い香気がした。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
「植物です、緑色に見えるでしょう、葉緑体をもった立派な植物なんです、動く植物、動物のように活躍する植物なんですよ」 吉見の眼は、その奇妙な言葉とともに今迄にない生々とした色を浮べて来た。
— 蘭郁二郎 『植物人間』 青空文庫
余り朝日がよくさして、その光線を吸おうとする葉緑素の感じが私の皮膚で感じられたのだ。
— 一九二九年(昭和四年) 『日記』 青空文庫
ところが最近の植物の分類の方法は進歩して来て、只そうやって肉眼で見える形の上での類似などばかりにたよらず、もっとその植物の生存の本質的な点、例えば或る葉が一定の光の下でその葉緑素にどんな変化をおこすかという点にふれて観察して、その有機作用の共通性で、植物の分類をするようになって来たというのである。
— 宮本百合子 『リアルな方法とは』 青空文庫
そうして、その捕獲としましては、おそらく今日のところでは、「地表の緑化」、すなわちできるだけ植物を繁茂させ、その葉緑素の力を借りることによりほかに良案は考えられておらないようでございます。
— 三澤勝衛 『自力更生より自然力更生へ』 青空文庫