珍客
ちんきゃく異読 ちんかく
名詞
標準
unexpected (but welcome) visitor
文例 · 用例
そりや、陸上からはるばるたづねて來た珍客ですもの、それにあなたは、私の恩人ですからね、お出迎へするのは當り前ですよ。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
とにかく、乙姫はご自分の家へやつて來た珍客を階段まで出迎へて、さうして安心して、あとはあなたのお氣の向くままに勝手に幾日でもここで遊んでいらつしやるやうにと、素知らぬ振りしてああしてご自分のお部屋に引上げて行くといふわけのものぢやないんですかね。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
しかし、逆説的に聞えるかもしれないが、その同じ颱風はまた思いもかけない遠い国土と日本とを結び付ける役目をつとめたかもしれない、というのは、この颱風のおかげで南洋方面や日本海の対岸あたりから意外な珍客が珍奇な文化を齎して漂着したことがしばしばあったらしいということが歴史の記録から想像されるからである。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
それはとにかく、自分らの教室にとっては誠に思いがけない遠来の珍客なので、自分は急いで教室主任のN教授やT老教授にもその来訪を知らせ引き合わせをしたのであったが、両先生ともにいずれも全然予期していなかったこの碩学の来訪に驚きもしまた喜ばれもされたのはもちろんである。
— 寺田寅彦 『B教授の死』 青空文庫
* * * 書棚とピアノとオルガンと、にわか百姓の素性を裏切る重々しい椅子とで昼も小暗い父の書斎は都会からの珍客で賑わっていた。
— 有島武郎 『フランセスの顔』 青空文庫
晩景、留守を預るこの老番頭にあてて、津に出張中の主人から、里見氏の令夫人参宮あり、丁寧に宿を参らすべき由、電信があったので、いかに多数の客があっても、必ず、一室を明けておく、内証の珍客のために控えの席へ迎え入れて、滞りなく既に夕餉を進めた。
— 泉鏡花 『伊勢之巻』 青空文庫
」 呆れたものいいと、唐突の珍客に、茶屋の女どもは茫乎。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
しかるに突然珍客ありて、告ぐるに金時計を還さん事をもってせり。
— 泉鏡花 『金時計』 青空文庫
作例 · 標準
突然、海外に住む叔母が訪ねてきて、まさに珍客だった。
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「あら、こんな時間に珍客ね。どうぞ上がってちょうだい。」
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庭に珍しい鳥が飛んできて、家族みんなでその珍客を観察した。
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