研師
とぎし
名詞
標準
文例 · 用例
そこには蓮の枯れた池があつたり、刀の研師の看板の出てゐる家があつたりした。
— 田山録弥 『船路』 青空文庫
新刀ながら最近|研師の手にかけたものだけに、どぎどぎしたその切尖から今にも生血が滴りそうな気がして、われにもなく持っている手がぶるぶると顫えた。
— 森田草平 『四十八人目』 青空文庫
そして或る研師の手にかけたところ、刀は無銘ながら、確かに青江の相当のものだとのことであった。
— 豊島与志雄 『怪異に嫌わる』 青空文庫
縞目も分らぬ古錦の袋を開けば、年月の埃に黝んだ白鞘で、それでも研師にかけただけあって、中身は冷徹に冴え渡った大刀、相当の業物らしい。
— 豊島与志雄 『怪異に嫌わる』 青空文庫
江戸彫刻師の随一人といわれた彼の高橋鳳雲の息子に高橋定次郎という人があって(この人は当時は研師であった。
— 家内を貰った頃のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
あの人たちは私たちの若い小刀研師だの鋏商人だのに、すつかり恥をかゝせて了つたわ。
— ブロンテイ 『ジエィン・エア』 青空文庫
もとより下層の者には、乞食や研師や惨めな奴らには、何かがなくてはならない。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
二 夏が過ぎ、水の澄み工合がきまると、町の諸方から刀|研師が呼び出され、腰の物お手入れが始まりかけていた。
— 室生犀星 『お小姓児太郎』 青空文庫