船列
せんれつ
名詞
標準
文例 · 用例
」と見る/\内に長蛇の船列は横形の列に變じて、七|隻の海賊船の甲板には月光に反射して、劍戟の晃くさへ見ゆ、本艦の士官水兵は一時に憤激の眉を揚げた、中にも年少士官等は早や軍刀の※を握り詰めて、艦長の號令を待つ、舷門の邊、砲門の邊、慓悍無双の水兵等は腕を摩つて居る。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
水軍も亦船列を整えて鉦、太鼓を鳴らして陸上に迫らんとした。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
川の面は、如何にもふつくらとした鷹揚な波が、のたり/\とだるさうに打ち、蒲団のやうな手触りがするかと思はれる柔らかい水の上に、幾艘のボートや花見船が浮んで、時々山谷堀の口を離れる渡し船は、上り下りの船列を横ぎりつゝ、舷に溢れる程の人数を、絶えず土手の上に運んで居ます。
— 永井荷風 『谷崎潤一郎氏の作品』 青空文庫
川の面は、如何にもふっくらとした鷹揚な波が、のたり/\とだるそうに打ち、蒲団のような手触りがするかと思われる柔かい水の上に、幾艘のボートや花見船が浮かんで、時々山谷堀の口を離れる渡し船は、上り下りの船列を横ぎりつゝ、舷に溢れる程の人数を、土手の上へ運んで居ます。
— 谷崎潤一郎 『幇間』 青空文庫
夜の洞海湾を、ゆるい速力で進む船列は、どの舟にも、一杯に、華麗な燈籠提灯の明かりがみなぎって、波にその光をうつしている。
— 火野葦平 『花と龍』 青空文庫
「あの堺のほうからくる船列は?
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
すべては、糧秣船とともに、金沙灘の岸と、鴨嘴灘の桟橋とから、ぞくぞく船列にのりこんで対岸へ押しわたり、そこでもういちど、戦闘態勢を組んで西へいそいだのだった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
眼はさめても、なお意識まではさめきれず、血管のなかにはまだ夜来の酒気もそのまま香っているかのような夢中と現身の境に、彼の脳裡には、南方の島々や高麗の沿海や、ゆくてに大明国をさしている大船列や、その船楼に立つ自分のすがただの、宗及や宗室のすがたまでも描かれていた。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫