莪
莪
名詞
標準
文例 · 用例
仲間の工人から、工場での美人とされている、しかし、日本人が見ると、どうしても美しいとは思われない、平たい顔の紅月莪がびっくりして身を引いた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
煙に取りまかれた紅月莪は、指を焼いたらしかった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
さしむかう鹿島の崎に霞たなびき初め、若草の妻たちが、麓の野に莪蒿摘みて煮る煙が立つ頃となった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
さうして博勞の娘はつやゝかな著莪の葉へ干した染糸で刺繍つた莟でなければならぬ。
— 長塚節 『佐渡が島』 青空文庫
創立のはじめに渡辺方壺を賓師に、後には武居用拙を学頭に、菁莪館の学問を誇ったころの平和な町ではない。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
方壺山人は名字を渡辺といい、徳川の時代に木曾福島の名君とうたわれた山村|良由公が詩文の師匠と頼んだ人で、「菁莪館」(良由公の建てた学校)の学問を興したことにもあずかって力のあったらしい人ですが、この人が大きなはすの葉を頭にかぶった図がわたしの見つけた書物の中に残っていました。
— 島崎藤村 『力餅』 青空文庫
そのゴサン竹の傍に菖も咲けば著莪も咲く、その辺はなんだかしめっぽい処で薄暗いような感じがしている処であったが、そのしめっぽい処に菖や著莪がぐちゃぐちゃと咲いているということが、今に頭の中に深く刻み込まれておるのはどういうわけかわからん。
— 正岡子規 『初夢』 青空文庫
維罍之恥」(小雅、蓼莪)といふ。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫