酌取り
しゃくとり
名詞
標準
文例 · 用例
「実は、君より妻へ宛てたる御書面、また妻より君へ宛てたる手紙、不図したることより生の目に触れ、一方には君の御境遇をも審にし、一方には……妻の心情をも酌取りし次第に候……」 お雪は耳の根元までも紅く成った。
— 島崎藤村 『家(上巻)』 青空文庫
酌取りの小間使は、ひきずるような紋服の裾をさばいてそのものに蹤いた。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
」「応」と――返辞えて出て来たのは四天王の最後の一人、すなわち朱雀四郎であったが、三重の盃目八分に捧げ酌取り女を後ろに従えすり足をして出て来たが、鬼王丸と姫との間へ恭しく静かに置いたのである。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
彼女は、しばらく前から、ロリー氏のお酌取りの役を引受けていたのだ。
— 上巻 『二都物語』 青空文庫
声自慢の人足に選抜されそこなつた若者は、お酌取りに選ばれ損つた娘つこを月の下で物色してまはつた。
— 片岡鉄兵 『菜の花月夜』 青空文庫