世が世なら
よがよなら
表現
標準
if times were better
文例 · 用例
」「考えてみい、世が世なら、汝達が拝むと即座に眼が潰れるような御夫人方だ、何だって汚らわしい乞食風情に御言語を下さるものか。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
兩親や兄の意見などは、蘆を吹く風ほども身に染みないで、朋輩同士には、何事にも、直きに其の、己が己ががついて※つて、あゝ、世が世ならばな、と口癖のやうに云ふ。
— 泉鏡太郎 『一席話』 青空文庫
尤も先祖は武家出であらうが、如何にも件の、世が世ならばが、友だちの耳に觸つて聞苦しい。
— 泉鏡太郎 『一席話』 青空文庫
なにしろこの息子は木下家の一粒種なのだから……」 母親はふだんから、世が世ならば、こんな素町人の家の娘をうちの息子になぞ権柄ずくで貰わせられることなぞありはしない。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
世が世なら、いや、敗軍の将、愚痴は申さぬ。
— 太宰治 『失敗園』 青空文庫
一座あっと驚き、膝を打ち、さすがは兄貴の発明おそれいった、世が世ならお前は青砥の上にも立つべき器量人だ、とあさはかなお世辞を言い、酒宴は一そう派手に物狂わしくなって行くばかりであったが、真面目な人はどこにでもいる。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
世が世ならば、倉地は小さな汽船の事務長なんぞをしている男ではない。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
お婆さんの独言「おまへも世が世ならば、将軍様の御手にとまつて、昔は、富士の巻狩なぞしたものだが、今ぢや梟と一所にこんなところへかるではないか、そんな怖い目はせぬものぢや」太郎「らくだよ らくだなんておまへはなまけものなんだろう。
— 動物園にて 『コドモノスケッチ帖』 青空文庫