骨々
ほねぼね
名詞
標準
文例 · 用例
「……恁う、然まで骨々しう痩せもしない兩手を行儀よく膝の上に組んだんですが、其藍がかつた衣服を膝頭へするりと、掻込みました、褄が揃つて、其の宙に浮いた下の床へ、すつと、透通るやうに長々と落ちて居るんです。
— 泉鏡太郎 『淺茅生』 青空文庫
それから先はもう死んだ気になってしまって打たれていたが、余りいつまでも打たれている中に障えることの出来ない怒が勃然として骨々節々の中から起って来たので、もうこれまでと源三は抵抗しようとしかけた時、自分の気息が切れたと見えて叔母は突き放って免した。
— 幸田露伴 『雁坂越』 青空文庫
向こうに締め切ってある襖には、杜少陵の詩が骨々しい大字で書いてある。
— 森鴎外 『蛇』 青空文庫
緩慢にして遲鈍なる寒氣、鉛の色の濕りたる空氣はこの炎々として猛烈なる火氣を靜めて、大洋の水、まづ其面を曇らせ、山岳、つぎに其氷りたる脊椎を擡げ、森林は、底土の下より動るぎ出で、朱に染みて骨々しき猛獸の怒號、爭鬪に戰き、天災、東より西へ流れて、大陸は作られ、また滅びぬ。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫
あゝ/\、骨々が痛うて痛うて!
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
ヂュリ 予の骨々を其方に與っても、速う其消息が此方へ欲しい。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
けれど、不思議に眼だけがおしもの体を離れようとはせず、知らず知らずに八つ口から入った手が萎びたわが乳房を探り、骨々したわが胸を撫でてみる。
— 矢田津世子 『女心拾遺』 青空文庫
この幅の広い骨々しい顔、この目の周囲の面白げな皺、この横へ出張つた、薄い耳を見ては、相手も笑はずにゐられない。
— コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 『樺太脱獄記』 青空文庫