毛ほど
けほど
表現名詞-の形容詞
標準
(not even) a little
文例 · 用例
ひどくがっかりして、しかし結局あきらめて辛抱して待って、さてもういいかと思って催促すると、今度は何とかがどうとかして何とかで工合が悪いからもう二、三日待てという、その何とかが実に尤千万な何とかで疑う余地などは鷹の睫毛ほどもないのだから全く納得させられる外はなかった。
— 寺田寅彦 『鷹を貰い損なった話』 青空文庫
二人の心持が今少しませて居ったならば、この二日の間にも将来の事など随分話し合うことが出来たのであろうけれど、しぶとい心持などは毛ほどもなかった二人には、その場合になかなかそんな事は出来なかった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
去年の春、民さんが嫁にゆかれたと聞いた時でさえ、私は民さんを毛ほども疑わなかったですもの。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
手狭であるが全体がよく整理されて乱雑なさまは毛ほどもなく、敷居も柱も縁もよくふきこまれて、光っている。
— 国木田独歩 『二老人』 青空文庫
心もちほどは窶れたが卯の毛ほどの疵もなく、肩に乱れた黒髪をその卯の花の白く分けて、寂しそうにうっとりして、しごき帯の結びめの堆いのに、却って肌のかぼそさがあらわれて、乳のあたりはふっくりと艶である。
— 泉鏡花 『露萩』 青空文庫
大きい白鳥が羽搏いて過ぎるときに、落してゆく羽毛ほどだつた。
— 新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 青空文庫
さうして、さういふ不快の原因と言へば、いつも、母ならぬ人には毛ほども悟られたくない、極く小さい詰らない事の失望やら怒りやらであつた。
— 石川啄木 『不穩』 青空文庫
わたしはこれが江戸っ子気質の通人意識から来るなぞという自惚れは鵜の毛ほどもない。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
作例 · 標準
彼は毛ほども悪びれる様子がなかった。
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どんなに頼んでも、彼女は毛ほども心を動かさなかった。
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あれだけ努力したのに、毛ほども結果が出なくてがっかりした。
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