飄々乎
ひょうひょうこ
形容動詞
標準
文例 · 用例
まことに飄々乎として、所もあろうにこんな山路の奥の身延街道に姿を現すとは、いっそもう小気味のいい位ですが、しかし、当の本人はそれ程でもないと見えて、相変らず言う事が退屈そうでした。
— 身延に現れた退屈男 『旗本退屈男 第六話』 青空文庫
颯々として背を吹きなでるその初秋のわびしい街風をあびながら、風来坊の退屈男は飄々乎としてどこというあてもなくさ迷いました。
— 仙台に現れた退屈男 『旗本退屈男 第七話』 青空文庫
哲学に迷い、イデオロギイに中毒して、神経衰弱を生命の綱にしている現代の青年が、百年考えても実践出来ない人生の千山万岳をサッサと踏破り、飄々乎として徹底して行くのだから手が附けられない。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
私は、海の慈愛と同時に此の雲と云ふ、曖昧糢糊たるものに憧憬れて、三年の間、飄々乎として歩いて居たといふわけであります。
— 尾崎放哉 『入庵雑記』 青空文庫
車に添って薬草道人、飄々乎として歩いて行く。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
」飄々乎として歩いて行く。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
将軍吉宗の大患を癒し、薬剤車を猪十郎に曳かせ、美童の紅丸を供に連れ、眼の明いた白烏を前駆にし、飄々乎として早春の候、再び御岳へ帰ってしまった。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
星の光はまだ人に親しみの色を帯びており、街路の空気には人の息が交っていて、帰り後れた飄々乎たる人影が犬と共に散在している。
— 豊島与志雄 『真夜中から黎明まで』 青空文庫