幻辞.com

漁色

ぎょしょく
名詞
1
標準
lechery
文例 · 用例
春美といって二十六歳、かつて某浪花節寄席の持主の妾をしていたことがあり、旦那は南五花街の遊廓で誰知らぬ者のない稀にみる漁色家で、常に春画春本淫具の類を懐中にしている男であると、女は何を思い出したのか何もかも千恵造に打ちあけた。
織田作之助 俗臭 青空文庫
仮に人生を五十とするならば、あと十年足らずの前川なのだが、恋愛ヌキの漁色だけに、惑溺している知己のAやBを、心の内に思い起しながら、(俺は君達と少しは違うのだ!
菊池寛 貞操問答 青空文庫
」 私達が、鼻と鼻とを衝き突けて争ふてゐると、「何て、まあ煩い漁色漢達だらう。
牧野信一 痴酔記 青空文庫
然し私は、夜になると囲炉裡端に大層な漁色漢沁みた連中が集つて面白くもない聞くも卑猥な冗談を如何にも吾ながら面白さうに喋舌るのが聞くも気持が悪く、一日や二日の滞留では済されさうもなかつたので、強ひて二階の一室を片づけさせた。
牧野信一 るい 青空文庫
だが、この椿岳の女道楽を単なる漁色とするは時代を無視した謬見である。
――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 淡島椿岳 青空文庫
漁色の悪漢といふのは就中紳士態を装ふた男が多いといふ話ではないか。
牧野信一 日本橋 青空文庫
彼は、あの親父の業々な漁色癖と、山国育ちの無抵抗的な悪度胸と、非人情性とに義憤を持ち続けてゐるのであつた。
牧野信一 円卓子での話 青空文庫
樽野は屡々(それは主に彼の家族を考へた時に)彼に、前述の如く、非人情性とか、醜い漁色癖とか!
牧野信一 円卓子での話 青空文庫