水光
すいこう
名詞
標準
文例 · 用例
そして、その水煙と水光とが微妙に節奏する刹那に明確な現実的人間性が劃出されて来るのが、私に今まで度々の実例があった。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
もう一層慣れてきますと青田の苗の株と株との間に微に水光りのしていることや、そういえばわたくしの行く手の街道の路面も電信柱もわたくしの背後の空から遠い都の灯の光の反射があるので僅に認められるのです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
もう一層慣れて来ますと青田の苗の株と株との間に微かに水光りしていることや、そういえばわたくしの行手の街道の路面も電信柱も、わたくしの背後の空から遠い都の灯の光の反射があるので僅かに認められるのです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
河はとっぷり暮れて一面に青錆びた水光を湛えています。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
この有名な句でもこれを「白露江に横たわり水光天に接す」というシナ人の文句と比べると俳諧というものの要訣が明瞭に指摘される。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
芭蕉は白露と水光との饒舌を惜しげなく切り取って、そのかわりに姿の見えぬ時鳥の声を置き換えた。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
特にその幾日というものは其処で好い漁をしたので、家を出る時には既に西袋の景を思浮べ、路を行く時にも早く雲影水光のわが前にあるが如き心地さえしたのであった。
— 幸田露伴 『蘆声』 青空文庫
すると是は如何に、眼の前は茫々漠々として何一ツ見えず、イヤ何一ツ見えないのでは無い、唯是れ漫々洋々として、大河の如く大湖の如く大海の如く、※々たり瀲々たり、汪々たり滔々たり、洶たり沸たり、煙波|糢糊、水光天に接するばかり、何も無くして水ばかりであった。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫