話し掛ける
はなしかける
動詞
標準
文例 · 用例
然し、流石に昔のことを思ふと、氣が引けて話し掛ける勇氣も出なかつた。
— 南部修太郎 『猫又先生』 青空文庫
両者共に、相手の顔を意識せず、ソファに並んで坐って一つの煖炉の火を見つめながら、その火焔に向って交互に話し掛けるような形式を執るならば、諸君は、低能のマダムと三時間話し合っても、疲れる事は無いであろう。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
はにかみ屋のせいか、自尊心が強いのか、自分から女に話し掛けるようなことはなく、女ぎらいで通っていた。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
話し掛ける言葉がなぜか出て来ない口惜しさだった。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
娘は息子に話し掛ける。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
「何がそんなに可笑しいの、清」と御米が障子越に話し掛ける聲が聞えた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
美しい嫁を取ったのが嬉しいと見えて、御隠居が楽しげに主人に話し掛ける。
— 森鴎外 『蛇』 青空文庫
こっちから何か話し掛けると、実の入っていないような、責を塞ぐような返事を、詞の調子だけ優しくしてする。
— 森鴎外 『かのように』 青空文庫