来致
らいいたす
名詞
標準
文例 · 用例
幸なる事には異なる伽羅の大木渡来致しおり候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書(初稿)』 青空文庫
ハハハ……身共は始終、この辺を往来致す者……斯様な部屋に泊る客ではないがのう……」「ハイ……あの……」 女は真赤になって行燈の傍に三指を突いた。
— 夢野久作 『斬られたさに』 青空文庫
これを表沙汰に致す時は容易ならぬ事が出来致す。
— 国枝史郎 『紅白縮緬組』 青空文庫
やがて間もなく従者いそがわしく出場)従者 お嬢様は此処においででござりましたか、今音楽堂で大変なことが出来致してござります。
— 国枝史郎 『レモンの花の咲く丘へ』 青空文庫
又た有助と云う男に手紙を持たせて、本郷春木町三丁目の指物屋岩吉方へ遣わしましたが、中々|大騒で、其の内に検使が到来致しまして、段々死人を検めますと、自ら死んだように、匕首を握り詰めたなりで死んで居ります。
— 三遊亭圓朝 『菊模様皿山奇談』 青空文庫
只意気な人は多く船で往来致しましたから、舟が盛んに行われました。
— 三遊亭圓朝 『業平文治漂流奇談』 青空文庫
「お稽古中お騒がせ申して――」「いやその御|斟酌には及びませぬ、急の御使と承わりましたが何か出来致しましたか」「実は是非とも御出馬を願いたいので」 と伊達主水は膝を進めた。
— 山本周五郎 『松林蝙也』 青空文庫
実は大鳥家にとりまして、甚だ外聞を憚る儀が出来致しましたので、実にはや、何とも彼とも申上げ様のない事件で」 老人はデスクを挟んで、明智と向き合って腰を卸した。
— 江戸川乱歩 『黄金仮面』 青空文庫