後遺
こうい
名詞
標準
文例 · 用例
四七年の夏八月はじめに「二つの庭」を書き終ったとき、血圧が高まり、五年前に夏巣鴨の拘置所のなかでかかった熱射病の後遺症がぶりかえしたようになった。
— 宮本百合子 『「道標」を書き終えて』 青空文庫
野村は、彼を信頼して、死後遺書を送って来た重明に対して、どうしたらいゝだろうか。
— ――二川家殺人事件 『黄鳥の嘆き』 青空文庫
たった一日の交遊の見ず知らずの私に貴重な硯をくれる約束も冗談だろうくらいに思っていたら矢野氏の死後遺言で約束どおりになったのである。
— 中谷宇吉郎 『南画三題』 青空文庫
城山家ハモト吉田山ニ住ンデオリ、当時ハシバ/\来往シタ覚エガアルガ、主人桑造ノ死後遺族ガコヽニ移ッテカラハメッタニ訪ネナイヨウニナッタ。
— 谷崎潤一郎 『瘋癲老人日記』 青空文庫
これは狂的なケンカ、踊り、浮かれ騒ぎ、で始まり昏睡に進行し多くの場合に死亡し生存者は嗜眠性脳炎の後遺症である「パーキンソン症状群」に似た永続性の震えが残るものであった。
— ――専門家でない読者に必要な12章を含む発疹チフス一生の伝記 『ネズミ、シラミ、歴史』 青空文庫
あとで思い出せば、苦痛を忘れさす秘薬、つまり蔓陀羅華であり、あの葉っぱは後遺症を残さない。
— TREGARTHEN'S WIFE 『トリガーセンの妻』 青空文庫
交番を出、仕方なく彼の雨合羽に半分入れてもらいながら、私は原爆後遺症の録音構成の仕事で行き、酒はうまかったなどと話さねばならなかった。
— 山川方夫 『演技の果て』 青空文庫