漂遊
漂遊
名詞
標準
文例 · 用例
年若く身は痩せて心のままに風と来り風と去る漂遊の児であれば、もとより一攫千金を夢みてきたのではない。
— 石川啄木 『初めて見たる小樽』 青空文庫
其結果として尊王攘夷論を天下に瀰漫せしめたり、多数の浪人をして孤剣三尺東西に漂遊せしめたり。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
一二五頁「花冠」は詩人が黄昏の途上に佇みて、「活動」、「楽欲」、「驕慢」の邦に漂遊して、今や帰り来れる幾多の「想」と相語るに擬したり。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
一〇七頁「花冠」は詩人が黄昏の途上に佇みて、「活動」、「樂欲」、「驕慢」の邦に漂遊して、今や歸り來れる幾多の「想」と相語るに擬したり。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
元、漂遊者の文学、巡游伶人の文学などゝ命けて、考察を続けて来た間に、その頃此国の文学史家が、徐ろにとり入れかけたのが、もうるとん氏の文学論及び文学史に関する諸論文であつた。
— ――序説として―― 『唱導文学』 青空文庫
まきもくの 穴師の山の山びとと 人も見るかに、山かづらせよ穴師神人の漂遊宣教は、播磨風土記によつて知られるが、同時に此詞章が、神楽歌|採物「蘰」のものである事を思ふと、様々な事を考へさせられる。
— ――序説として―― 『唱導文学』 青空文庫
此等の海及び山の流離民が、国中を漂遊して、叙事詩、抒情詩を撒布して歩いた形から、其が諸国に諸種の文芸を発生する事を述べるのは、此からである。
— ――序説として―― 『唱導文学』 青空文庫
私の此方面に関心を持ち出したのも、実はさうした側の、殊に近代に倚つての、布教者の漂遊を主題としてゐた。
— 折口信夫 『唱導文芸序説』 青空文庫