老い木
おいき
名詞
標準
ancient tree
文例 · 用例
「ここの水に聞きたいことが私にもあるが、今日は縁起を祝ってそれを言わないことにしよう」 と言って、大臣は、そのかみの老い木はうべも朽ちにけり植ゑし小松も苔生ひにけり この歌を告げた。
— 藤のうら葉 『源氏物語』 青空文庫
雄雄しい日本の古天才も皆この椎の老い木のやうに、悠悠としかも厳粛にそそり立つてゐたのに違ひない。
— 芥川龍之介 『わが散文詩』 青空文庫
其間に、藤の短い花房が、白く又紫に垂れて、老い木の幹の高さを、せつなく、寂しく見せる。
— 釋迢空 『死者の書』 青空文庫
其間に、藤の短い花房が、白く又紫に垂れて、老い木の幹の高さを切なく寂しく見せる。
— ――初稿版―― 『死者の書』 青空文庫
わたしが噴水のほとりの松の老い木が繁つたあたりに出たとき、霰はまた一と頻り走つて青い苔の上に点点たる時ならぬ梅花を散らした。
— 室生犀星 『故郷を辞す』 青空文庫
第三場 軒の山桜お蔦の家の前、桜の木の老い木と若木と二本植わってあり、花が咲いている。
— 長谷川伸 『一本刀土俵入 二幕五場』 青空文庫
彼が庵室の森へはいった時、また昨日のように風が吹き起こって、松の老い木がものすごく、彼の身のまわりに、ざわめきだした。
— 上 『カラマゾフの兄弟』 青空文庫
四天王寺の大鳥居の左の柱には、たれの業か墨匂わしく「花咲かぬ老い木のさくら朽ちぬとも、その名は苔の下にかくれじ」とみえ、わきには、武蔵ノ国の住人、人見四郎|恩阿、生年七十三歳正慶二年(北朝年号)二月二日、赤坂城へ向つて、武恩に報ぜんがため、討死|仕つり畢んぬ という遺書があった。
— 千早帖 『私本太平記』 青空文庫
作例 · 標準
例句