賜餐
しさん
名詞
標準
文例 · 用例
翌四十五年の一月五日の新年宴会に賜餐がありました。
— 小金井喜美子 『鴎外の思い出』 青空文庫
それと同時に宮中賜餐記の一文もこまかい眼くばりがあって、これもまた日本一であった。
— 室生犀星 『われはうたえども やぶれかぶれ』 青空文庫
それからは賜餐の宴げが張られるのである。
— 山本周五郎 『合歓木の蔭』 青空文庫
別間のほうに饗応のしたくをして待っていた将軍家の側近たちが、追いすがるようにして、せっかくの賜餐をすすめると、光圀はいんぎんに恩を謝して、「田舎にひき籠ってからは、とんと美食に馴れぬせいか、たまたま食べつけぬものをいただくと腸を驚かせて、かならず工合がわるうなるので」 と、一笑して去った。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫
かつ、朝廷の賜餐には馴れ、街の銀盤玉杯にも飽いているから、どんな歓待とて、彼の舌や眼を驚かすには足らない。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
昭和十六年の五月、人工雪の研究で学士院賞をもらった時に、千種間で御賜餐にあずかったことがあるが、その時にもこの感を深くした経験がある。
— 中谷宇吉郎 『雪今昔物語』 青空文庫
その時代でも、その晩某侯爵邸に招かれた時の方が、御馳走といい調度といい、昼の御賜餐の十倍くらい立派であった。
— 中谷宇吉郎 『雪今昔物語』 青空文庫
言ってみるなれば、賜餐の感は、そうした文化の日らしいおくつろぎに陪させていただいたことが、何よりもありがたくまた何よりなご馳走であった。
— 吉川英治 『随筆 私本太平記』 青空文庫