木門
もくもん
名詞
標準
文例 · 用例
冠木門は、旧式のままで敷木があるから、横附けに玄関まで曳込むわけには行かない。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
それ、うそうそとまた参った……一度|屈腰になって、静と火薬庫の方へ通抜けて、隣邸の冠木門を覗く梅ヶ枝の影に縋って留ると、件の出窓に、鼻の下を伸して立ったが、眉をくしゃくしゃと目を瞑って、首を振って、とぼとぼと引返して、さあらぬ垣越。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
国麿という、旧の我が藩の有司の児の、われより三ツばかり年紀たけたるが、鳥居の突あたりなる黒の冠木門のいと厳しきなかにぞ住いける。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
仰いで高し厳しと見し国麿が門の冠木門も、足|爪立つれば脊届くなり。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
大きい冠木門の家で、生け垣の外には小さい小川が流れていた。
— 鷹のゆくえ 『半七捕物帳』 青空文庫
小さい朽木門を出た五六間先からは堅田の浦の浪打際になっている。
— 岡本かの子 『取返し物語』 青空文庫
寒竹の生けがきをめぐらした冠木門をはいると、玄関のわきの坪には蓆を敷き並べた上によく繭を干してあった。
— 寺田寅彦 『花物語』 青空文庫
黒い冠木門の両開き戸をあけるとすぐ玄関で案内を乞うと右脇にある台所で何かしていた老母らしきが出て来た。
— 寺田寅彦 『根岸庵を訪う記』 青空文庫