濠々
濠々
名詞
標準
文例 · 用例
それに伴れて他の「クラブ員」も一斉に胸をそろへて月を仰ぐと、ほんとうの鯨の真似をして凄まじい息を濠々と吐き出してゐた。
— 牧野信一 『まぼろし』 青空文庫
とたんに、高声器から、だだだだンと、はげしい機関銃の音が聞え、画面で見ていると、扉と向いあった壁から濠々と煙が出て来た。
— ――金博士シリーズ・7―― 『大使館の始末機関』 青空文庫
海からはすこしはなれているが、大島が目の前に見え、左右は山の岬が出ていて、畑の真中の木の櫓から下の宿の温泉が噴き出して夜も昼も白い煙を濠々立てている。
— 一九三八年(昭和十三年) 『獄中への手紙』 青空文庫
七 車室には、うす暗い電灯がひとつだけ点り、ムッとするように粗悪な煙草が濠々とたちこめていた。
— 久生十蘭 『墓地展望亭』 青空文庫
燃えしぶっていた焚火が俄に明るく燃え上り、火焔がすさまじい音と共に濠々と立つ白煙を舐め尽して終う。
— 飯田蛇笏 『茸をたずねる』 青空文庫