幻辞.com

食い縛る

くいしばる
動詞
1
標準
文例 · 用例
嗚咽びかえっているのです、それを見た武の顔はほんとうに例えようがありません、額に青筋を立てて歯を喰いしばるかと思うと、泣き出しそうな顔をして眼をまじまじさせます。
国木田独歩 女難 青空文庫
ヤコフ・イリイッチは歯を喰いしばる様にして、お前も連帯であげられ無えとも限ら無えが、「知ら無え知ら無え」で通すんだぞ、生じっか…… 此の時ぴーと耳を劈く様な響きが遠くで起った。
有島武郎 かんかん虫 青空文庫
悲哀というよりも、むしろ悲壮といいたい表情、歯を喰いしばるようにして眼を閉じたのであった。
佐左木俊郎 蜜柑 青空文庫
すべからく現代を超越すべしといった才人はとにかく、僕は是非共|生死を超越しなければ駄目だと思う」 兄さんはほとんど歯を喰いしばる勢でこう言明しました。
夏目漱石 行人 青空文庫
すべからく現代を超越すべしといった才人はとにかく、僕は是非共生死を超越しなければ駄目だと思う」 兄さんはほとんど歯を喰いしばる勢でこう言明しました。
夏目漱石 行人 青空文庫
これは歯を喰いしばるような矢代の痛さだったが、日本へ帰っても今の気持ちが切れるものなら、それならいっそ今のうちに切ってしまうのも、二人のためと思うことに変りはなかった。
横光利一 旅愁 青空文庫
若い能役者は、鬼の面をつけると、面の下で自分の歯迄喰いしばる。
一九二四年(大正十三年) 日記 青空文庫
鉛を溶かしたように熱いのが顔中に溢れて、悪蛇のうめくようは――(息のつまる笑い)ちょうどそばに細長い石があったのをへらへらした舌の中へ、喰いしばる歯をたたき破って押し込むとだんだん呻くのが、きえて行く煙のように断え断えになって来た。
郡虎彦 道成寺(一幕劇) 青空文庫
食い縛る(くいしばる) — 幻辞.com