雄壮
ゆうそう
名詞
標準
文例 · 用例
崇高だとか、偉大だとか、雄壮だとか」 三四郎は翻訳の意味を了した。
— 夏目金之助 『三四郎』 青空文庫
デモクラシー(共和制)を以て、我国民に適用し、根本の改革をなさんとするが如きは、極めて雄壮なる思想上の大事業なり、吾人は其の成功と不成功を論らはず、唯だ世人が如何に冷淡に此の題目を看過するかを怪訝しつゝあるものなり。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
蓋し女性は優美繊細なる者なり、而して詩家も亦た其思想に於ては優美繊細を常とする者なり、豪逸雄壮なる詩句を迸出する時に於ても、詩家は優美を旨とするものなるを以て、自ら女性に似たるところあるを免れず。
— 北村透谷 『厭世詩家と女性』 青空文庫
日本の精神が雄壮であるということは、あらゆる人々によって承認されている。
— ――「国民文学」に望む―― 『文学は常に具体的』 青空文庫
雄壮という資質は腕力的ということでないのは知れきったことであるし、真の雄壮は、感傷的な自己陶酔を最も厭い嫌って、真実を愛そうとする天質であることも、言を俟たないであろう。
— ――「国民文学」に望む―― 『文学は常に具体的』 青空文庫
国民の文学という場合、自身の雄壮を自身の耳に向ってうたう感懐に立ったロマンティシズムのほかに、国民の日々の生活が刻んでいる像を、あらゆる真実の姿でうけいれ、創り出してゆく旺んな創造力の発動にたえるだけに、日本の雄壮な精神も成熟して来ていい頃であろうと思う。
— ――「国民文学」に望む―― 『文学は常に具体的』 青空文庫
この人往々この種の句を挿んで雄壮なる歌をだいなしにする癖有之候。
— 正岡子規 『人々に答ふ』 青空文庫
極めて古雅なる調を以て詠む時は、雄壮なる事もさほどに雄壮に聞えず、優美なる事もさほどに優美に聞えず候へども、その代り凡ての物を古雅化して些の俗気を帯びざる処に一種の面白みあり、故に万葉調を以て凡百の物事を詠まんとならば大体において賛成致候。
— 正岡子規 『人々に答ふ』 青空文庫