銀側
ぎんがわ
名詞
標準
silver case
文例 · 用例
さて銀側の懷中時計は、散策の際も身を放さず、件の帶に卷着けてあるのだから、時は自分にも明かであらう、前に郵便局の前を通つたのが六時三十分で、歸り途に通懸つたのが、十一時少々過ぎて居た。
— 泉鏡花 『山の手小景』 青空文庫
薄あかりのなかに凝視むる小さな銀側時計の怪しい數字に苦蓬の香沁みわたり、右に持つた薄手の和蘭皿にはまだ眞赤な幼兒の生膽がヒクヒクと息をつく。
— 北原白秋 『思ひ出 抒情小曲集』 青空文庫
清三は銀側の時計を出して見て、思いのほか長く寝込んだのにびっくりしたが、落ちかけていた財布をふと開けてみて銭の勘定をした。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
それ許りではない、須藤氏が何かの用で二日許り札幌に行つた時、私に銀側時計を買つて來て呉れた。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
それ許りではない、須藤氏が何かの用で二日許り札幌に行つた時、私に銀側時計を買つて来て呉れた。
— 石川啄木 『菊池君』 青空文庫
それは銀側の大きな時計で、鍵を真ん中の穴に入れてギイギイと廻す、ごく古い型のものだった。
— 大杉栄 『自叙伝』 青空文庫
これの代りに、程経ってから両蓋のやはりウォルサムの銀側が出来た。
— 宮本百合子 『時計』 青空文庫
」と、道臣は大きな銀側時計を弄りつゝ言つたが、軈て居室へ退いてまた酒を始めた。
— 上司小劍 『天滿宮』 青空文庫