滅び
ほろび
名詞
標準
文例 · 用例
そして文学のことは遂に一言もすることなく、つまり絶えず『文学は滅びるものだ』といふことを繰返すのである。
— 中原中也 『非文学的文士』 青空文庫
私はなお思う、古くして滅びゆくもの、皆美し。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
「請う想い見よ、誰か罪なくして亡びし者あらん、義き者の絶たれし事いずくに在りや、我の観る所によれば不義を耕えし悪を播く者は……みな神の気吹によりて滅びその鼻の息によりて消え失す」というはこれまた実に当時の神学思想である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
「滅び」の役割を以て登場しながら、最後まで退場しない男もいる。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫
あわれ、蔦に蔓に留まった、道子と菅子が色ある残懐は、滅びたる世の海の底に、珊瑚の砕けしに異ならず。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
昔、人と水と戦って、この里の滅びようとした時、越の大徳泰澄が行力で、竜神をその夜叉ヶ池に封込んだ。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
……もしや、岩抜け、山津浪、そうでもない、大暴風雨で、村の滅びる事があったら、打明けた処……他は構わん、……この娘の生命もあるまい――待て、二三日、鐘堂を俺が守ろう。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
……御先祖以来、人間との堅い約束、夜昼三度、打つ鐘を、彼奴等が忘れぬ中は、村は滅びぬ天地の誓盟。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫